ヒメルス・フィールド|Himmelsfeld

ヒメルス・フィールドはニュージーランドの南島、ネルソンの中心部から北西約15キロに位置する。

1991年、ドイツ系移民の5代目に当たるベス氏によって設立された。ニュージーランドの中で最小といえる規模であり、全てを自分自身の手によって行う、まさにこだわりのブティックワイナリーである。

1859年に北ドイツより移住してきた先祖のハンス氏の時代から、ベス氏の父であるダッドリー氏までの4代にわたって、主にホップ栽培で生計を立てていた。そして娘のベス氏の代になった1991年に、現在ワイナリーのある場所に26エーカーの土地を購入した。

ブドウ畑はそのうち3エーカーのみで、日当たりの良い北西部の特に日照量に恵まれる段々畑状の斜面のみが選ばれている。それ以外の15エーカーにはリンゴを植え、残り8エーカーは牧草地としてロムニー羊(羊毛用)を育てている。

生産されているブドウは、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョンなどである。この地域ではカベルネ・ソーヴィニョンは珍しいが、マスター・オブ・ワインのボブ・キャンベル氏に『ニュージーランドで1番のカベルネ・ソーヴィニョン』と評されている。

最高品質のワインを生み出す秘訣は、前述のネルソンの日光を一身に浴びる北西向きの段々畑と、昼間の日光の熱と養分をしっかり蓄える粘土質の土壌である。さらに栽培方法は完全なる有機栽培で、除草剤を撤く代わりに羊が雑草を食べ、その排泄物がブドウの養分となるという自然のサイクルを組んでいる。また風通しの良さがプドウ樹の健康を保ってくれるのも、有機栽培の一役を担っている。