セントラル・オタゴ|Central Otago

クイーンズタウンから東へ2030㎞程の場所にある南緯45度に位置する世界最南端のワイン産地の一つ。エリアは非常に広く、7つのサブリージョンに分かれている。NZの中で唯一半大陸性気候の産地で昼夜の寒暖差が非常に激しい。サザンアルプスのおかげで、西からの悪天候は遮られている。降雨は冬場に限られており、夏はほとんど降らない。年間降雨量は300400mmと極端に乾燥している。栽培面積は国内では3番目に大きく(1,884ha)、主にピノ・ノワールを栽培しており、全体の7割強を占めている。

ワイン造りの最も古い歴史は1864年にブドウを植え、1881年にシドニーで金賞を取ったと言うものが残っている。1973年以降に各地でブドウが植えられ始め、世界的に有名になったのは1997年のフェルトン・ロードであった。

気候は他の産地より南にある為、春の訪れと開会は遅い。また、夏が比較的短い為、生育期間が極端に短いと言う弱点がある。年ごとに気候の振り幅は大きく、極端な霜害や干ばつがありうる。年間の日照量は2,000時間程度で夏の最高気温は34℃まで上がり、夜は10℃まで下がる。おかげで酸を保持したまま、黒々と熟したブドウになりやすい。土壌は石英等を含む極めて硬いシストが分布し、この地域全体の基盤となっている。土壌中の有機物が非常に乏しく、ブドウ栽培を長期に持続する為には有機栽培を取り入れ、畑に有機堆積物を増やしていかなければならない状況があり、セントラルオタゴの生産者は早くから有機栽培やビオディナミを導入している。

 

◇ギブストン・ヴァレー

南極からの冷たい南風が入り込み、セントラルオタゴの中では最も標高が高い位置にある冷涼な産地。比較的繊細なワインを産出している。ラズベリー等の赤い果実と豊かな酸が特徴。収穫はバノックバーンより数週間遅い。

 

◇バノックバーン

ダンスタン湖周辺の盆地をクロムウェル盆地と言う。バノックバーンは丘陵の下部は非常に深いレス土壌。土壌中に石灰岩と間違えそうなリン酸カルシウムの凝固したものが見受けられる。骨格が柔らかく、丸みのある黒系果実味のワインを生み出し、セントラルオタゴを象徴するワインスタイルとして1990年代から国際的な評価が高まった。

 

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