グレイワッキ|Greywacke

グレイワッキはニュージーランドの南島、マールボロの中心ブレナムから西へ約10キロに位置する。

2009年、ケヴィン・ジュッド氏によって設立された。彼はクラウディ・ベイで創業からチーフワインメーカーとして約25年間勤めていた。

クラウディ・ベイといえば、世界にニュージーランド・ソーヴィニョン・ブランの品質の高さを知らしめたマールボロ屈指のワイナリーである。そこで約25年間品質を支え続けた確かな技術力と、小規模生産者だからこそできる丁寧な作業を行っており、クラウディ・ベイよりさらに一段階高い完成度のワインを生み出している。

ブランド名のグレイワッキとは、ケヴィン氏の奥様であるキンバリー氏が初めて取得した畑につけた名前である。畑にはニュージーランドの山・川・海とあらゆるところで見つけることのできる「Grey岩(ワッキ)」という岩が多く含まれており、『いつか自分のブランドを作ったらニュージーランドを代表するワインになるようにこの名前にしたい』と考えていたケヴィン氏が1993年の終わりに登録し、2009年にようやく念願叶って「グレイワッキ」をリリースすることとなった。

グレイワッキはワイラウヴァレーにあるブランコット地区の自社畑と、クラウディ・ベイと同じ契約農家より借りた畑にてワイン造りを行っている。畑の管理を自ら行うのはもちろん、ドック・ポイント・ヴィンヤードのオーナーであり、ニュージーランドきっての有機栽培家アイヴァン・ザザーランド氏によって、完璧に管理されている。アイヴァン氏も同じくクラウディ・ベイ出身である。クラウディ・ベイに高品質なブドウ畑を貸し出しながら栽培責任者も行っていた人物である。

ワイラウヴァレーはニュージーランドの中でも日照時間に恵まれ、海洋性気候に属している。夏から秋にかけて穏やかな気候の為、暑さによってブドウの酸やアロマティックな風味が奪われることがない。ゆっくりと完熟に向かうソーヴィニョン・ブランにとっては理想の産地である。

ケヴィン氏がブドウ栽培を行うにあたり最もこだわる点は「収穫のタイミング」である。クラウディ・ベイではフレッシュでハーバルなスタイルを目指していた。しかしグレイワッキではフレッシュで奥行のある、もう一段上の完成度を目指し、クラウディ・ベイよりやや遅めの収穫を行っている。