サトウ・ワインズ|Sato Wines

サトウ・ワインズはニュージーランドの南島、セントラル・オタゴに位置する。

2009年、佐藤嘉晃氏と奥様の恭子氏による小さなプロジェクトとして始まった。初リリースとなった2009年ピノ・ノワールにつづき、その後リースリング、ピノ・グリ、シャルドネが徐々にラインナップに加わった。

2006年、自分たちのワインを造るべくニュージーランドへ渡り、 クライストチャーチのリンカーン大学で栽培・醸造学を学んだ。 大学卒業後間もなく二人はセントラル・オタゴに落ち着き、バノックバーンにあるフェルトン・ロードで、ワインメーキングのキャリアをスタートした。チーフ・ワインメーカーであるブレア・ウォルター氏のもとで、2年半ワイン造りに従事した。自分たちのワインを造るべく、ギブストンにあるマウント・エドワードへ移り、そこで4年間ワインメーカーとして勤務する傍ら、サトウ・ワインズを設⽴した。そして、2012年に自分のワインに集中するため、クロムウェルの地元のワイナリーのスペースを借り、自分たちのワインプロジェクトを推し進めていく。また恭子氏は、現在もフェルトン・ロードの畑のマネージメントに携わり、ヴィンヤード・スーパーバイザーとして従事しながら、そのビオディナミの知識を自らのワイン造りに生かしていく。

「ブドウの樹は有機及びバイオダイナミックによって育成されるべきで、ワイン造りにおいても極力人の手を介さず、化学薬剤や添加物を使用しないこと」が二人の信念である。限りなく自然に任せたワイン造りを目指し、育ったテロワールの真のキャラクターが純粋にワインに表現されると信じ、それがサトウ・ワインズの基本理念となっている。亜硫酸の添加においても、通常ボトリング直前のみに僅かに行い、圧搾及び発酵時には添加しない。それは「亜硫酸はワインに複雑味を与えるブドウ由来の微生物の活動を阻害する」という考えからである。

また佐藤氏自身が体にやさしく、スムーズな喉越しのワインを求めており、その姿勢はヨーロッパで自身が修行したいくつかのナチュラルワイン生産者に共感するものでもある。デリケートでどこまでも純粋なワインを追求するサトウ・ワインズは世界のワイン愛好家の間でも注目され、アジア、オセアニアのみならず北米、ヨーロッパにも輸出されている。評論家ジャンシス・ロビンソン氏も高くサトウ・ワインズを評価しており、自身の著書「 The World Atlas of Wine 7th Edition」では、サトウ・ワインズをセントラル・オタゴの代表銘柄として紹介している。